
「6日は渋谷でオケミス」
大槻ケンヂミステリ文庫〜オケミス「アウトサイダーアート」ツアー、6日渋谷DUOでファイナルです。
よろしくお願いいたします。
何度か言ってますが、ミステリ文庫を名乗ったんだからミステリを読もう思い、このところいろいろ読んでます。
で、ロバート・B・パーカー著「初秋」
これはよかった。
大好きだ。
あまり本を読んでジーンとしたりとかないんだけど、これは珍しくジンワリ来たなー。
、、家庭環境が原因で心を閉ざしている15歳の少年ポールを、タフガイな探偵スペンサーが一時的に預かり、この世界の広さ、そして人生の第一歩を教えるハードボイルドサスペンス。
「香菜、頭をよくしてあげよう」のタフガイ版、と筋肉少女帯のリスナーなら読むこともできるかも?
〜ポール、頭をよくしてあげよう〜ってか。
「一人ででも生きていけるように」
というテーマは、まぁ確かに一緒。
でも筋少の「香菜」の方は、その方法が、カルトな映画や泣ける本を半ば強要するサブカルマウンティング笑であるのに対し、スペンサーの方は〜ポール、頭をよくしてあげよう、体も強くしてあげよう、そのためにはまず、ベンチ・プレスとボクシングだ!そして山小屋を作れ!
男はそこからだっ!
〜という、モーレツにストレートなマッチョイズムで、文系なオーケンとしては本当はそこはあきれるべきなんだろうけど、小説とはいえそれで実際にポールが徐々に強くなっていく描写に、素直にジーンと来たなぁ。上手いんだな、ものすごく筆が。
でも考えてみると、拙著「グミチョコレートパイン」にも、拳法の達人が、主人公・賢三を、自然の中で体をきたえることによって人生リセットさせるエピソードが出てくるので、そもそも私にはマッチョイズム羨望みたいのがあるのでしょう。そのあたりをきっと刺激された。
あとスペンサーの台詞が全ていちいち小洒落ていて、この探偵はもはや人間名言製造機。
特に、依頼人のポール母に誘惑されたスペンサーが、やんわり、キッパリと断わり、かつ、彼女のプライドを傷つけないようフォローを入れるくだりの大喜利力はレベル師匠!
スペンサー先輩お見事っス!、、ってよく読んだらスペンサー全然歳下じゃないかよ。
6日は私の誕生日でもあります。
渋谷に来てくださるお客様の中には、プレゼントなど大槻にくれてやらんでもないという方ももしかしたらいらっしゃるかもわかりませんが、やんわり、キッパリ、いりません。お心だけで充分過ぎますので、どうぞお気遣いなさらずお越しくださいね。
某ライブハウスの楽屋で↓タピオカがどうしても飲みきれない時もあるでしょう、人生は。だからまずベンチ・プレスなんだよ!そうか?